2009年11月5日木曜日

熱の入った外国の会議で発言していくには 〜前編

国際環境での会議はどんな感じか 〜状況説明」に戻る
国際環境の会議でなぜ発言できないか 〜現状分析」に戻る



もし自分が仮にビジネス向けの英会話スクールの
カリキュラムを組むとしたら、こんなクラスを一つ
設けると思う。

「会話の流れを意識し発言の終わりのタイミングを読む」

クラスである。

このクラスの授業では、誰かがなにか英語で物を話して
いるときに、その話している内容の詳細に注意を払うの
ではなく、その話がどのタイミングで終わりそうかを、
感覚的に予測する練習だけを繰り返しするのである。

このクラスの必要性を考える為に、

「国際環境での会議はどんな感じか 〜状況説明」
「国際環境の会議でなぜ発言できないか 〜現状分析」

を参照していただきたいのだが、いろいろな国の人の
まざる仕事場で、論議のヒートアップした会議に
参加すると、仮に自分の精通した議題のミーティングで、
英会話が得意であっても、なかなか話に参加ができない
という現象が起こる。

上の読み物に書いた通り、自分はそれが日本の
会議における発言形態と、個人の主張の強い環境に
おける会議の発言形態が異なることによると思う。

この個人の意見の強いカルチャーにおいて、複数の
人が熱の入った論議をしている様子を観察すると、
みな、とある同じタイミングで発言を始めている事に
気づく。

それは、前の人の話がまさに終わりそうというタイミング
で、次の人が自分の発言を始めているのである。これがみな
このビミョーなタイミングを、意識的か無意識か、きちんと
押さえているのである。

このタイミングがもう少し早いと、誰かの話の真っ最中に
自分が話しだすので、さすがにそれは失礼である。逆に
それがもう少し遅いと、誰か他の人がそのタイミングで
次の意見をもう言い出しているのである。

つまり、前の人が何か意見を言い終わってから自分が
話そうとすると、なかなか自分の話す機会は回ってこない
のである。

思うに我々にとって英語など母国語ではない言語での
コミュニケーションにおいては、話の内容を理解することには
通常集中するが、流れや終わりのタイミングまで意識
することは自然とはしていない事が多い。(自分だけ?)

それに気づいてからは、こんな試みを取り入れるようにした。
会社への通勤時間や、どこか目的地への車での移動時間など、
ラジオ番組のパーソナリティがゲストとなにかディスカッション
をしているものを聞く(ゲストの数が多ければ多いほど良い)。

そして、とにかくまずは話の内容ではなく、流れを聞き取る
訓練をするのである。このひとは今何の話をしていて、どの辺
で話の落ちが来そうか、や、いまは話の状況説明をしているから、
それが終わったらなにか自分の意見を言うだろうな、そして
その後がこの話の終わりであろう、といったことに集中をしてみた。

話の内容ではなく、流れに意識を移すと、以外とその話の終わりが
どの辺で来そうかといったことを予測するのはそんなに難しい
事ではなくなる。

話の流れを意識する事に慣れて来たら、これを人前でやることは
オススメはしないが(笑)、つぎはラジオ内で話している人々の会話に
参加をしてみる。誰かが話をしていると、その人の発言の
終わりを、流れを意識しながら待ち、その終わりのタイミングを
予測してその話に対してなにか意見を言ってみる。そのタイミング
が他のゲストと合えば成功である。

そして、こういった事を移動時間にやっていると、無意識的に人の
話の終わりのタイミングを想像できる様になってくる。幸運なことに、
意識さえすればこれに慣れる事は結構簡単である。

ラジオの他に、自分がよく使っていたのは、トークショーなど
テレビにおける、複数のコメディアンが熱い議論を交わしている
番組である。コメディアン各々が、テレビで自分が一番面白い事を
言わなくてはならない様子は、こっちの熱の入ったミーティングに
似ているのである。その発言のタイミングに、自分も参加できる
ようになれば、現実のミーティングにおいて、自分も発言の
タイミングがつかめる様になるのである。

参考までに、"Chelsea Lately"というコメディーのトークショー
があるのだが、そのなかの、コメディアンが数人でテーブルを囲み
冗談を言い合っているところなどが参考になる。

ちなみに、このタイミングの感覚を覚えると、日常生活における
友達との雑談も自然とうまくなる。議論の激しいミーティングほど
シビアではないが、数人の友達とわいわいとどうでもよい話をして
いるときに、会話に参加しやすくなるのである。英語における会議や
友達との会話に参加しにくい思いをした事のある場合は、考えてみると
面白い。

次回は、この発言のタイミングを読める様になってから、
外国人の会議を観察しているとさらに見えてくる、細かい
テクニックを紹介したい。


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