2009年2月1日日曜日

カルチャー英語は、通常の生活からは学べない?

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まずはカルチャー英語の存在を理解するために、
お互いの定義の一つからはじめてみる。

*「コミュニケーション英語」: なにか話し合わ
なくてはいけない事柄があり、それを達成する為の
会話に使う英語。

例えばレストランでは食事、注文、といった目的が
あり、銀行では預金や引き出しなど、銀行の作業と
いった題材がある。仮に弁護士と難易度の高い会話を
しているとしても、それもその弁護士を雇った理由があり、
会話にはテーマがある。学校、仕事場では、当然
学んでいる事柄、もしくはやっている仕事に関係の
ある会話をする。

こういった場での会話は、伝えたい事が伝えられ、
相手の言っている事が分かりさえすればコミュニケー
ションに問題はない。

そして、日常生活をし、学校で授業を理解し、仕事を
こなす為の英語は、こういった日常生活に身を置いて
いれば、時間さえ経てば、経験によりだんだん覚えて
いく。もし習得を早めたいのであれば、語学学校へ
いけば学ぶ事もできる。

これらがすべて、コミュニケーション英語である。

*「カルチャー英語」: 相手の存在を楽しむ為の会話に
使う英語。

では逆に、カルチャー英語はどういった場面で登場するか。

代表的なのは、知人のパーティーに呼ばれ、雑談やフリー
トークをしているとき。美容室で髪をきってもらっている
時のスタイリストとの雑談、またはバーやクラブで友達と
何でもない会話をしているとき。そして見落としがちなのが、
目的地に向っているときの移動中の会話や、映画の始まるま
での十数分の暇つぶしの為の会話などである。

実際に自分がこのカルチャー英語の存在に気づいたのは、
この移動中においてであった。日常生活の上での英会話
(コミュニケーション英語)に苦労がなくなっていた頃、
ある知人のパーティーから10人ほどでバーへ向って
徒歩で移動している時であった。

知人の家からそのバーまでは10分ほどで、その間、
みんながわいわい何かとどうでもよい雑談をしながら、
その移動時間を楽しんでいるなか、自分はその会話に
参加できず、退屈な思いをしたのを良く覚えている。

そのときに、英会話ができると思っていた自分は、
会話についていけないことに非常にショックだった。

このような外国人との移動中に、会話に参加ができな
い経験をしたことがあるのは自分だけではないであろう。
また、外国で、映画上映までの待ち時間や、外国人の集まる
パーティーが楽しめない、バーでのカジュアルトークが
面白くないと感じる事がある日本人は多いであろう。

こういった場で会話をするのは、なにかテーマや決定事項
があるわけではなく、お互いの存在を楽しむ為にするの
である。そして、この種の英会話ができないと、日本人と
日本語で接している時の様なクオリティーで、外国人との付
き合いを本当に楽しむ事はできない。

何らかの理由で外国を自分の生活の場と決めた以上は、
そこで増える外国人との付き合いを、より楽しむ事が
できるほうが良いと自分は考える。

そして、どんなに仕事で英語ができようと、どんなに
英語の発音が良かろうと、弁護士とどんなに難しい
交渉ができようと、それらはすべてコミュニケーション
英語であるため、これらが苦なくできても、移動中に
その場にいる友達の存在を楽しめない、雑談ができない
といた状況は起きるのである。

つまり、日常生活や仕事場などの、みんなが話題のテーマを
もった事務的な英会話と、移動中や暇つぶし、バーでの共通
目的をもっていない、人の存在を楽しむ為の英会話とでは
内容が全く違う。

残念な事に、このコミュニケーション英語だけを使う通常の
環境で生活していたのでは、このカルチャー英語は何年経って
もあまり上達しないのである。

自分の海外での生活に、カルチャー英語が必要と判断した
場合は、通常われわれ日本人が接する生活では、コミュニ
ケーション英語のみしか行なわれないため、意識的に
カルチャー英語が使われる環境に身を置く必要がある。

カルチャー英語の更なる定義の為に、次は「帰国子女」
の定義を考えてみる。

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