2009年2月16日月曜日

国際環境の会議でなぜ発言できないか 〜現状分析

「国際環境での会議はどんな感じか 〜状況説明」に戻る

前の「国際環境での会議はどんな感じか 〜状況説明」で
書いた様に、仮に英語のしゃべれる人でも、外国における
外国人の多くまざる会議で、なかなか発言ができないという
のは、経験の有る方も多いかもしれない。

これは、日本における会議の発言形態と、外国のカルチャー下
での発言形態に大きな違いがあるからであると思う。

日本人同士の会議や談義においては、以下のような基本ルール、
もしくはその中のいくつかが、暗黙の了解であると思う。

* 人の発言を尊重する
* 次の発言は、前の人の発言が終わってからする
* 誰かの発言が終わったら、自分が次に発言してよさ
  そうか伺う
* 誰かと同時に発言をしてしまったら、「どうぞどうぞ」と
  相手に勧める
* 会議の種類によっては挙手をし、許可が出るのをまって
  から発言する
* 議題に精通する人がそのミーティングに参加している場合、
  その人の知識、経験は尊重され、発言権等に敬意を払う

つまり、我々のカルチャーにおいては、複数のひとが何か
議論をする時は、自分の前の発言者が言い終わるのを確認した
うえで、次の人が発言をする、というのが前提である。
われわれは無意識でそれを行ない、習慣になっている。
そして、それを守らないと、少々「自分勝手」、「礼儀の
なっていない」ひと、ととられてしまうかもしれない。

また、そのミーティングでベストの結論、方法を導く為に、
専門知識や議題に関して経験のある人が参加している場合は、
その人の意見や貢献を皆が期待し、尊重する。

では海外における外国人の発言形態はどうか?

もちろんミーティングにもよるが、上のようなルールが
結構適用されていないことがある。そして、日本の習慣で
こっちの会議に臨むと、発言のタイミングがつかめないと
いうことがおこる。

また、みな個人主義で、ここは自己主張の強い社会のため、
ミーティングにおいては自分の意見を積極的に発言していく。

これ自体は悪い事ではないのだが、ときには仮にミーティング
の議題に精通する人が他に居ようが、その議題について自分の
意見、知識(極端なケースは仮にその知識が間違っていてもかま
わず)、そして自分のミーティングにおける存在および貢献度を
アピールしようとするのである。結果それがしゃべるべく適任の
人の時間をとることになっても。。。

つまり、ベストなミーティングを行なう為に誰が意見するのに
適任であるかといった配慮よりは、いかに「自分」がミーティング
で一番発言、および貢献できるかという点の方に重点を置く人が
結構いるのである。これは自分の思うに、自己主張の強い社会の
マイナスな面の一つであると思う。

さらには、思うに、日本人がつまづく大きな理由としては、
こっちの会議では、誰かの発言の次に自分が発言をする
タイミングが、少々日本とは違うところであると思う。特に
熱の入ったミーティングにおいては、その前の人の発言が
完全に終わるほんの少し前に、次の自分の発言を始めると
いうところである。

つまり、現在発言している人が何かを言い終わって、
それを確認してから自分が何かを発言しようとすると、
そのタイミングでは自分の発言の機会があまり回って
こないのである。。。

もちろんペースの遅いミーティングや、たまたま誰も
次に発言しようとしなかった時は、このタイミングでも
発言の機会はくる。しかし、大事なミーティングや、
自己主張の強いリーダー達が集まるミーティングなどでは、
通常みんなの発言が盛んなため、このタイミングが来る事
は滅多に無い。

しかし、みんな人の発言を尊重せず好き勝手話し
ているわけでもない。日本とはちょっと違った基準の
ルールがある。なので、じゃあ俺も周りを気にせずがんがん
発言していけば良いのでは?というほど単純でもない。

つまり、大事なミーティングできちんと参加者として責任を
持ち、発言をしていくためには、こっちのミーティングの
発言形態に慣れるしかない。我々の感覚でこっちのミーティ
ングに臨むと、仮に自分がその会議の判断にとって大事な
経験や知識を持っていても、なかなかそれが考慮されない
という事が起こる。英会話がぺらぺらでも、この問題には
全く関係ない。

一つ前の読み物でも書いたが、正直「自分の意見が求め
られないのなら別にいいか」と思いたい時もある。しかし、
チームを指揮しだすと、自分がその会議で有意義な発言をし、
計画を正しい方向に持っていくことはむしろ自分の責任でも
ある。話題に参加できなかったではすまされないのである。

もちろんもっと参加者の経験等を考慮したミーティングも
あるが、責任の有る以上はミーティングの形式の善し悪しに
左右されず発言できなくてはならないし、自分の経験上、
上のようなミーティングスタイルの方が数が多い。

こっちのミーティングできちんと発言していくには、
どうすれば良いか? 次は、もっと具体的に、自分の
とった対応策を紹介したい。


「熱の入った外国の会議で発言していくには 〜前編」に進む