2009年1月14日水曜日

国際環境での会議はどんな感じか 〜状況説明

自分のいままで働いて来た環境は、様々なカルチャーを
背景にもつ人々が集まる場所であることが多い。働いている人の
国籍は数えきれないほどであり、昼食にいくとそのテーブルの
大半が外国人(この場合はアメリカなのでアメリカ人以外)である
ことが普通である。「おお、今日はアメリカ人が二人もいる!」
といった冗談をよく耳にするのである。

このような環境で一つ会議を行なうと、参加者はこれまた様々な
国籍の人たちがいる事になる。このような会議に自分が初めて
参加した時は、かなりのカルチャーショックを受たのである。

その時の経験を正確に伝える為に、このような状況設定にしてみる。

仮にそのミーティングには10人の参加者がいるとする。国籍は
まったくばらばらである。この10人の中で、自分の得意分野は
「A」とし、残りの9人はそれぞれまた違った得意分野がある
とする。つまりこのミーティングの構成では、「A」の分野が得意
なのは自分のみである。そして、参加者全員は自分の分野が
「A」であることを知っているとする。

今日の議題は「A」、そしてそのときの自分の英会話は、日常会話に
はあまり苦労しない程度であったとする。

この設定で、30分のミーティングを終えたとき、なにがカルチャー
ショックであったかというと、ミーティングで一言も発言ができな
かったのである!

自分の得意分野の議題の会議で、自分以外は別の分野のひとである
にもかかわらず、なぜ一言も話せないのかとかなり落ち込んだ。
そしてその時期はとくに英会話に苦労していたわけでもない。

そのころの自分の感覚で言うと、あるミーティングの議題に精通して
いるひとがその場におり、それがそのメンバーに周知であれば、
通常は自分の意見が尊重されるというものであった。場合によっては
「〜さんの意見をどうぞ」「〜さんはどう思いますか?」といった
気遣いもあるかもしれない。

しかし実際はその正反対で、自分が一番精通しているはずの議題に
もかかわらず、一言も発言ができずに終わるのである。これは
かなりこたえた。そしてどうしてかが全く理解できなかった。

ここでまず始めに考えたのが、「これは自分が会議の経験が浅いから
であろう」であった。実際、今考えると、それももちろんマイナス要因
としてあったことは確かである。

しかし、こんなケースも考えてほしい。

今まで何度も、日本でグループのリーダーをしていた人が、
海外での会議に参加するとうまく発言ができない様子も自分は
目にしてきた。これはいろいろな国で自分が実際に参加した
会議で目にした光景である。また、通常こういった場所の
会議に参加している人たちは、英会話はきちんとできる
人たちであることを付け加えておく。

そのときにすごく自分には疑問であった。自分の得意分野の話題で、
会話能力もあり、母国ではそういった会議に慣れているはず
なのに、なぜうまく発言ができないのか?

また、これが大きな問題なのも明白であると思う。会議とは
その場に参加しているメンバーで意見を出し合い、ベストの
計画を立てるのが目的である。それなのに、その中で一番意見を
提供するべく自分が、一言も話さず、いろいろと決定されてし
まったわけである。「自分の意見が求められないのなら別に
いいか」と思いたい時も正直有る。

しかし、チームを指揮しだすと、自分がその会議で有意義な
意見をし、計画を正しい方向に持っていくことはむしろ自分の
リーダーとしての責任である。話題に参加できなかったでは
すまされないのである。

あれからずいぶんとミーティングをこなしてきた。
そしてその頃から比べればかなりましになってはきた
ものの、いまだミーティングで自分の最大限の貢献をする
ことは自分の中の大きな課題の一つである。

日々の試行錯誤の中、自分の経験からどうしてこういう
現象が起こるのか、なぜ我々日本人の感覚ではミーティングで
思う様に発言ができないのか。そして、どうすればより
発言できる様になるのか。

次は具体的にもっと話を掘り下げる。

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