2012年10月31日水曜日

「英語が理解できないのか!?」


つい先日面白い出来事を目にした。○○○○人の友達が、電話越しに大声で叫んでいる。

「お前は英語が理解できないのか!?」

どうやら銀行か何かのオペレーターと話しているようなのだが、自分の友人は○○○○人で、まだカナダに来たばかりで英語の発音にかなりヘビーなアクセントがある。

電話を切ったあとこっちにむかって「まったく。あいつ英語が理解できてないよ。。。」と真顔で文句を言っていた。

はっきり言って聞き取れないのはオペレーターのせいではなく、彼の発音の方にあるのだが(笑)、この底なし(根拠なし?)な友人の英語におけるコミュニケーションに対する自信には驚いた。

日本人は逆に発音がネイティブ並みでないといった理由などから、シャイになり小声で発言する場合があると思う。しかし発音がネイティブと違おうが大きく声を出した方が、自信無く発言するより絶対意思がよく伝わる。

自分の友人は少々極端な例だが、コミュニケーションとしては十分な発音である日本人アクセントを持つ我々は少し彼の態度から見習える部分があるのではとふと思った。


2012年4月4日水曜日

Articulation上達法 〜即効性編

つい先日、ポーランド人の友達と車の移動中に英会話の話しをしていたのだが、どうやら彼から言わせると自分の英語はArticulatedなのらしい。とまあナマリばりばりの友達から褒められた事を自慢しつつ(笑)、何度も書いている様に自分はこのArticulationにいろいろ苦労してきており、まだまだ満足のいく会話力には達していない。そんな中、自分もそれなりに色々試行錯誤してArticulation力をあげる試みをしているんだと説明すると、お前はどうやってArticulation力をあげたのかと問われた。

こんなことをガイジンに聞かれたのは初めてなので、考えてみた中、このブログに書いているようなことをいくつか説明してみた。友達はうんうんとうなずいてはいるのだが、何となく満足そうな反応をしていない。。。このブログに書いている様にArticulationが一瞬に上達するような魔法は無いと思うのだが、こいつはさてや魔法の薬をもとめているのでは!?と思い、さらに知恵を絞ってみる。そんななか、自分が今でも実戦している唯一即効性のある方法を一つ思い出した。それを説明してみると友達は満足げにうんうん試してみると言っている。(コノヤロウ!)

お陰で忘れていたネタが一つ増えたので、即効性のある(はず)Articulation上達法を紹介してみたい。

少々脱線するが、以前よりもマシにはなってきているはずなのだが、自分がArticulationにおいてずっと苦労しているのが話すスピードである。ゆっくり話すことがArticulationにプラスなことは重々承知なのだが、これを変えるのはかなり難しい。自分の経験的には、ゆっくり話す為にはただゆっくり話すだけではダメなのである。ちんぷんかんぷんに聞こえるかも知れないが、要は癖で早口であること以外に、自分は説明がへたくそだから伝えたい事を伝える為には量を話さなくてはならないという問題が別にある事に気づく。

ゆっくり話す努力をする => 説明がへたくそなため量を話さざるを得ない =>「あいつ話なげー」と言われない為には早口で話さざるを得ない、という負のスパイラルに自分は陥っていた。

逆に言うとArticulationを向上させる為にはゆっくり話す必要があるのだが、ゆっくり話す為には説明を短く簡潔にできなくてはいけない。つまり長期的には「Articulation skill」の重要性 --- Part.3などで書いてあるような本質的なArticulationを時間をかけて向上させるしかなく、それが上達すると同時にゆっくり話す事もより容易になっていく。

そして、この友達に説明したのは、この同時進行で向上させなくてはいけないArticulationと、ゆっくりしゃべるという事の、手助けになる技である。やる事としては3つで、

1. 自分の話しているスピードを意識する様にし、「今は早すぎるな」と自分で気づく様になる

2. 早すぎるなと気づいた瞬間、会話を一瞬止める。おそらく感覚としては0.5秒ぐらいの長さだろうか。これが長すぎると会話につまずいているような印象になってしまい、話の下手な人の不自然な間になってしまう。しかしやってみると驚くのだが、これがちょうどいい間でできるとまったく不自然ではなく、言葉を丁寧に選んでいるといった感じのしゃべり方になる。

3. ちなみに(2)のような会話に間を入れる話し方が良いことはよく一般的に言われていることで、自分的には(2)よりももっと大事なのはこの(3)なのだが、この間を利用してまず会話のスピードをリセットし(意図的に遅くする)、さらに物量で説明しようと早口になっていた頭を冷まし、うまい説明の仕方にもっと集中するのである。

早くしゃべる癖のついている人には、通常会話中にそのスピードを遅くするのは難しいのだが、ほんの一瞬でも間を自分で作ると、かなり簡単に会話のスピードを再調整しゆっくり続きを話し始める事ができる。そして一息つき、再度ゆっくり話し始めているので、より簡潔な説明の仕方に集中し直せるのである。

感覚としては、「あ、俺早口になっている」=>「会話を0.5秒止める」=> 「スピードをリセットし、ゆっくりまた続きを話し始める」=>「止めたついでに簡潔な説明をすることに集中し直す」

自分は現在はおそらく短い文章を話すのに2、3回はこの息継ぎを入れている(つまりそれくらいの頻度で早口になってしまっていることに気づく)。自分の様に早口でArticulation上達を試みている人は、この技を使うとずいぶんと即座にArticulationの質に差が出るので試してみることをおすすめする。

2012年2月5日日曜日

英会話における聞き上手 Part.1

英語を用いたコミュニケーションのなかで、自分の大切と思うスキルをもう一つ書いてみたいと思う。

これもこのブログで書いている他の英語トピックと同じで、ただ毎日英語を話しているだけでは何年経ってもなかなか身に付かないと思う。それゆえ早い段階から意識しながら英会話を覚えていくのが良いと思う。

まずはこんな体験話(仮)があったとする。

出張先で友達と20年前の中古車ミニバンを$600で買う。週末に友達とそれで旅行をして、山を登る。山の上で悪ふざけで友達がドーナツターンをしようと言い始める。のりでOkしドーナツターンを終了後、笑いながら楽しく帰路につき山を下り始める。すると突然なぜかハンドルが重くなり始める。と思っているとハンドルがまったく回らなくなり、そうこうしていると次はなんとブレーキが重くなり始める。そして最後にはブレーキもきかなくなり、山の下り道で$600のミニバンが制御不能になる。幸運にも周りに車がいなかったため、ハンドブレーキを思いっきり引くとカーブの崖の手前でぎりぎり車がとまり、なんとか無事危機を脱出する。

コメディー映画のような話だが、たとえばこれを自分が友達に体験話として話すとする。その場合にパターンAとパターンBを考えてみる。まずは日本語で考えてみると:

(A)

自分:この前出張先でさ、〜で〜。そしたら〜なことになってきて!
相手:へえ。
自分:そのあと気づくとどんどん〜なことになってきててさあ!!
相手:ふ〜ん。
自分:最終的には〜で〜なことになってかなりヤバかったんだよ!!!
相手:そっか。
自分:...

(B)

自分:この前出張先でさ、〜で〜。そしたら〜なことになってきて!
相手:まじで?!?!
自分:そうそう、それでそのあと気づくとどんどん〜なことになってきててさあ!!
相手:おいおい、映画みたいな話だな。ほんとにホント?俺を騙そうとしてるんじゃない?
自分:それが信じられないだろうけど本当の話なんだよ。最終的には〜で〜なことになってかなりヤバかったんだよ!!!
相手:すげーなそれ。あり得ないだろう。でもお前らバカだろ(笑)。
自分:うんそうそう。ばかばか。絶対今後こんな事はやらないって友達と誓ったよ〜。
相手:ははははは(笑)

日本語で書くと分かりやすいが、当然聞き上手なのは(B)の相手で、自分にとってこの現実離れした体験談の話し甲斐があり、会話をしていてより楽しいのは(B)の場合であろう。話し手にとってみればこれだけおかしな話を友達にしているのだから、それなりの反応を期待するし、(A)の反応ではあれ?となる。次になにか会話をしたくなる相手は(A)より(B)であると思う。

そして、言いたくないのだが欧米の環境で外国人から見た日本人の対応は(A)の場合が多い気がする。自分も外人と英語で雑談をしていて、自分が聞き下手だなあと思ったことが何度もある。

どんな言語でもコミュニケーションの上で聞き上手なことは大事なことは言うまでもないであろう。もしかしたら話し上手(Articulationストーリーテリングアドリブ)であることと同等かそれ以上に人間関係において聞き上手であることは重要かも知れない。

そして、ここで自分が問題だと思うのが、仮に英会話がある程度できるようになっても、日本人には英語における聞き手の使ううまい同調表現を自然とは覚えない点だと思う。センスがあって自然とできている人を少数は知っているが、少なくとも自分は自然とは覚えなかったし、日本の英語教育や欧米での日常生活ではそれのやり方や大切さを教わらなかった。

英語において我々日本人がこれが苦手な傾向があるとすると、これは早い段階から意識していった方が良いと思う。そして海外で仕事をする我々にとって、日本人は会話をしても話し甲斐が無い(=あまり楽しくない)と思われるのは正直自分は気持ちがよくない。

また、聞き上手かどうかは社交性に大きく関係があるので、友達作りや恋愛、欧米社会(だけではないか?)においてリーダーシップにも大きく関係してくると思う。聞き上手の友達のほうが話していて楽しいし、自分の話しをうまく聞いてくれる恋愛相手の方が一緒にいて楽しいであろうし、上司としては信頼まわりの印象がやはり違うであろう。

Part.2は具体例を通して英会話における聞き上手の使うフレーズや、表現の仕方のポイントを書いてみたい。話し上手になるのと同じく、聞き上手になるにはフレーズを知っているだけではだめなのである。

2012年1月3日火曜日

Articulation上達法

「Articulation Skill」の重要性 --- Part.1
「Articulation Skill」の重要性 --- Part.2
「Articulation Skill」の重要性 --- Part.3


実践的な英会話、ミーティング、ディベートの場において、Articulationが必要不可欠であることはこのブログの色々なところで書いているテーマである。

ところがこのArticulationいろいろとやっかいで、そもそも自分の様にその必要性に気づくことさえも通常は時間がかかると思う。ゆえにミーティングなどにおいて責任がでてきて、その重要性に気づいた時点でそのスキルが備わっていないといけない為、既に遅かったりする。

次の問題は、仮に英語を日常的に使っていたとしても、意識していないと何年経ってもArticulationは自然に上達はしない点である。これは英語がネイティブの人でもうまい下手が大きく分かれることを考えると納得がいく。

そして、その重要性に気づいたとしても、このArticulationのレベルを計る方法や、それの上達法などが自分の知る限りではあまり方法論がない点であると思う。

少し話が飛ぶが、Articulationの上達に色々苦労してもう数年が経つ。そして、Articulationのスキルを意識し始めたことは多少影響はあるはずだが、なにか特に良い上達方法を思いついたわけでもないなか、ここ最近なぜか自分のArticulationが急激に上達している事に気づいた。ミーティング中に自分の意見が良く通るようになり、英語が母国語のリーダー達が聞き取れなかった、ニュアンスの難しい意見を拾えているといった場合が出て来たのである。

この上達のきっかけが、最近まで行っていたカナダへの出張によるものである事に気づいた。本社を離れて仕事をすると、仕事の形態で一つ大きく変わる点がある。それは本社とコミュニケーションをとる為に、相当数の電話会議をこなさなくてはいけない点である。自分はカナダの出張7ヶ月ほどの間、ほぼ毎日最低2、3回はロサンゼルスのスタジオと電話会議をしていた。

電話会議でぴんと来ない場合は、これは、デスク等に置いてある普通の固定電話機をグループで囲み、その一台の電話を受話器を取らずにスピーカーホンにして、電話の向こうにいる同様のグループと英語で遠隔会議をすることである。大事な会議であれば当然ミーティング室のスクリーン付きの音質の良いビデオ会議システムを使うのだが、ちょっとしたミーティングであれば手っ取り早いので通常の電話機を使う。

この電話会議ではどんなことが起こるかというと、まずミーティング専用の機器ではないため音質があまり良くない。その上、ビデオ会議ではないので相手の顔が見えず、お互いの表情やハンドジェスチャーといったコミュニケーション手段が使えない。

また複数対複数の電話ミーティングでは、相手の発言が誰によるものかといった事すら判断できない上に、イギリス発音、フランス発音、インド発音、ドイツ発音、と様々なアクセントの人がまぜこぜで話しをしている場合もある。そして、VFX業界のミーティングは、会議の内容は多くの場合が映像を言葉で説明する表現の難しいものである。

言うまでもなく、とにかく初めの数ヶ月はボロボロだった。相手の言っている事はうまく聞き取れず、自分の言いたいことがうまく伝わらず発言を繰り返す事が多々あった。さらにはリーダー職をやっていると、その会話の全員の分の会話を拾う事が自分の責任でもある。その会議で語られていることを全て自分が把握し、だれか自分のチームの人が聞き取れなかったらあとで説明してあげなくてはならない。また、うまく言いたい事が伝えられないメンバーがいたらそれをフォロー、確認するのも自分である。

これらすべてが固定電話機の小さいスピーカー越しに、相手の顔すら見えず複数の人の音声がまざって行なわれるのである。

こんなことできるか!

と正直心の中で思っていた。

このような条件下の電話ミーティングにおいては、100%自分の話している音声だけでコミュニケーションをきちんととらなくてはいけない為、通常の会議よりかなりArticulationスキルが必要なわけである。一回で言いたい事が伝わらなかった場合の言い直しの気まずさも、相手の顔が見えないため倍増する。言葉におけるコミュニケーションのエラーマージンがほとんど無いと表現してもよいかもしれない。

しかし、もちろんまだまだ電話会議を満足いくまでにできるわけではないが、それでも7ヶ月間もそれを毎日こなし、それが会議の基準となっていると、死活問題のため嫌でもArticulationのスキルが向上するみたいである(笑)。

そして、その形態の会議に慣れた頃には、参加者が目の前にいる通常の会議が、かなり簡単に感じる様になると言うわけである。電話会議に比べるとビデオ会議すら簡単に感じる様になる。

つまり、自分は運良くこのトレーニングを7ヶ月ほど集中してやることができたが、意識的にArticulationの向上の為に取り入れる事もできると思う。

たとえば学生友達や仕事仲間数人で、スピーカーホンにした固定電話を囲み、2チームで電話越しに同じyoutubeか何かの映像を流しながらその内容をディスカッションすれば、Articulation向上のための良い練習になると思う。

また職場で英語における電話ミーティングに参加する機会のある人は、それを利用するのもオススメである。最近では自分はどんな電話ミーティングでも、仮に自分が責任者で無い場合もみんなの全ての会話を100%聞き取る努力をしている。これはタダでできるかなり効率的なトレーニングである。

そして、自分のArticulationのスキルレベルを知りたい場合は、上のようなスピーカーホン越しのyoutubeの映像ディベートを、リアルタイムで友達としてみると、Articulationスキルの有無がよくわかるはずである。


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