2014年8月26日火曜日

人間関係の極意?

面白い記事を見つけた。こんな感じの記事は沢山あるんだろうけど、これはすごく簡潔に要点をついていると思う。

この5つを多くの人が意識すれば世の中の人間関係は随分改善するんじゃないかなあ。

ブログと結びつけると、特にチーム内の人間関係を円滑にする立場でもあるリーダーの人はこの5つをマスターしていないといけないと思う。

自分が気をつけなくてはならないのは(1)と(5)。まぢで。

5 Ways to Step Out of Your Dysfunctional Relationship Dance Today


簡単に日本語に訳すと:


"Five Losing Strategies"
「やってはならない不健全な人間関係を築き上げてしまう5つの方法」

(左が問題点 ---> 右が解決策)



1. 自分が常に正しいと論す ---> 一分間言い合いをやめて、「あなたが正しいかもしれない、そういう風に考えたことはなかった」と言う、考える

2. 相手をコントロールしようとする(つまり相手のやりたくないことを強制する。短期的には相手は摩擦を無くすために従うかもしれないけど、長期的には強制された相手は自分が無理して従った分を取り返そうとする。) ---> 強制するのではなく、会話をして自分のしたいことを相手に交渉した上で得る

3. 相手との問題から逃げる、臭い物に蓋をする ---> リスクを背負って問題を話し合う。相手がぐぢぐぢ言って話し合いを避けるタイプなら、自分が話し合いを持ちかける。

4. 仕返しをする(自分が痛い目にあったから、それと同じことをやり返す権利があるという考え方。もう一つの言い方:「犠牲者の立場を使い相手を攻撃する」) ---> 冷静になり、一息をつき、そのことを水に流す。仕返しに使う体力を、代わりに問題解決や問題の分析にまわす 

5. 制御無く自分の立場を述べる、相手を批判する(自分の立場、気持ちを100%表現した方が関係が良くなると勘違いしがち) ---> 制御無く発する自分の言動が相手に与えるインパクトを考える。発言、内容を制御し、その発言内容が相手を傷つけるのであれば表現から省く。



2014年4月1日火曜日

英語におけるうまい相手のいじり方

ずばりうまい英語の雑談とはのリストのなかの(6)番目、英語で「相手をいじる」というのがどんな感じかがよくわかる例を見つけたので紹介したい。

下のリンクの16:24あたりから、Drogo役のJason Momoaをどうやって見つけたかという話をしている。話しているのはGame of Thronesのshowrunner(テレビドラマの脚本家/責任者)の一人のDavid Benioffなのだが、16:54あたりの彼のJasonに対するいじり方がすばらしい。

まず予備知識として、

-Jasonは今までそれほど有名な俳優じゃなかったこと。
-Baywatchというドラマに出ていたこと。
-Baywatchとはアメリカのドラマで、ライフガードが水着でビーチを走り回っているイメージぐらいしかないような、よく会話の中の冗談で使われるドラマ(Baywatchファンがいたらごめんなさい。Baywatchのサンプルhttp://www.youtube.com/watch?v=Z9UPh7KKyfs)。

それでは本題に。


会話の流れとしてはこんな感じである。

David:「ところで、このタイミングでファンにここで感謝したい」
David:「Drogo役をずっと探していて、どうしても見つからなかった」
David: 「ファンがドラマの役を薦めるメッセージボードがあるんだけど、そこのDrogo役のところをみた」
David:「そのなかでJasonが薦められていて」
David:「すまないけど、そのときJasonのことは名前すら聞いたことがなかった」
(会場が笑う)
Jason: 「いやいや。」
(会場から誰かが何かを叫ぶ。おそらく知らなかったと言われたJasonをサポートするコメント)
Jason: (ありがとうみたいなジュスチャー)

そして次のDavidのコメントが絶妙で、

David: 「(みんながあたかも観ているかのように)そのうえ俺はここんとこBaywatchを観てなかったから("I haven't kept up on my Baywatch, but")」

(会場大爆笑)

Jason:(笑いながら中指をDavidに対して立てる)

この"I haven't kept up on~"というのは、よくみんなの話題のドラマなどを見てないことに対する言い訳で使う。例えばドラマの"24"が流行っていたときに、会話の中で「ああ〜俺"24"ここんところ見てないわ。」みたいな感じに使う表現である。

つまり「あのドラマじゃ観たこと無くてもしょうがないでしょ」と言う代わりに、みんなにいけてないドラマであるという共通認識のBaywatchに出ていたJasonを、あたかも大人気のドラマを語るような表現で皮肉って「悪い、Jason、Baywatchここんとこみてね〜や」、だから知らなかったといじっている訳である。

日本の感覚からしたら捉え方によればBaywatchとそれに出ていたJasonを小馬鹿にしている訳だけど、観客の反応から分かるようにこれぐらいはここでは面白いいじり方に入る。しかもこんな会場で大勢のファンを前にして、showrunnerが発言しているのである。

そして、話のうまいひとは多くがこんな感じのいじりを会話の中で使っている。このDavid Benioffも、そこまでコメディックな人ではなく、基本はshowrunnerとしてまじめな受け答えをする人なのだが、このように所々絶妙なタイミングで笑いを織り交ぜるところに、彼のコミュニケーション力の高さを感じる。

今回は例だけだが、いずれ「英語におけるうまい相手のいじり方」のノウハウも書こうと思う。


2014年3月31日月曜日

"Sense of Humor", "Wit"を身につけよう

ずばりうまい英語の雑談とはHe's funny?で書いたように"Sense of Humor"(ユーモア)、 "Wit"(ウィット(ウィットに富んだ))は社交性、雑談のなかでかなり重要な要素である。

欧米文化に限ったことではないが、特にここではこの"Sense of Humor"、"Wit"はかなりプラスのものとしてとらえられている。社交の場、雑談などで用いることはもちろんのこと、シリアスになりがちな仕事の話や、面接中の重い空気を和ませる効果があるし、プレゼンやミーティングの中でも重宝する。まじめな話をしていても"Sense of Humor", "Wit"をうまく織り込めるのは、よりうまいコミュニケーションと言えるだろう。

さらには初対面の人と距離を縮める力があったり、誰かと喧嘩をしているときでさえ"Sense of Humor"、"Wit"は関係を改善する効果さえある。とにかく現代のコミュニケーションには必要不可欠でさえあると自分は思う。

もうちょっとくだけた感じの定義は、"Sense of Humor"のある人、"Witty"な人は"Cool"であるぐらいの捉え方で良いと思う。

urbandictionary.com (*) によると、"witty"とは

"Being clever and funny, making funny quips off the top of your head. Witty people are clever and cool. Hang out with them."

"He is so witty... I think I am in love."

(http://www.urbandictionary.com/define.php?term=witty)

などとべた褒めである。まあソースとしてどうなのかという意見はあるかもしれないが、こういうことに関してはurbandictionaryは実社会での一番ストレートな意見も聞ける。urbandictionaryがクールといっているのならクールなのである(笑)。

まあそれは半分冗談として、"Sense of humor"と"Wit"はともに人間関係において男女ともに相手に求める性格に含まれることが多い。"Sense of humor"があり"Witty"な人は、友達部門でも、恋人部門でも人気が高いのである(笑)。

また、He's funny?で書いた"Sense of Humor/Wit"と"Clowning Around"の違いも大事なので参照してほしい。

さて、誤解の無いようにあらかじめ書いておくと、我々日本人にとって、欧米スタイルの"Sense of humor"、"Wit"は慣れるのに時間がかかる。またそれの習得も結構時間がかかる。

ただ、長いこと試行錯誤してくると"Sense of humor"、"Wit"にもフォーマットがあり、習得の方法論もあることに気づく。このカテゴリーでは自分が発見、及び実践してきたものを紹介していきたい。

(*) urbandictionary.comとは、ユーザーが編集できるオンライン辞書の一つで、表現の規制がかなり緩いためWikipediaの「人間の本性版」(?)みたいなものである。提出される定義がユーザーの評価の高い順に並ぶため、上位にリストアップされるものは要は一般人が体裁を気にしなかったときに「ああなっとく」と思うような定義が掲載される。


2014年3月30日日曜日

ずばりうまい英語の雑談とは

海外で生活していく中で、英語を用いた雑談、カジュアルトークがもっとうまくできたらなと思うことは誰でもあるとおもう。

「この人は話していて楽しい」と感じる、英語における雑談のうまい人とはどういう人だろうか。バーで英語の雑談が全くできないときから数えてもう15年ほど経っているのだが、そろそろ全体像が見えてきた。

雑談の要素や上達法などこのブログの色々なところで書いているが、ここではもう少し引きの絵の、全体的なリストを書いてみる。

ずばりうまい英語の雑談とは、

1. 相手に質問をする
2. 相手の質問に答える
3. 何か天気など周りの様子を話す
4. 趣味、仕事、共通の知り合い、恋愛などのトピックのあるまじめな話をする
5. 相手の話に対して、聞き上手な受け答えをする
6. 相手をいじる(これは性格にも寄り切りだが、話の面白い人は多くがこういう会話をする)
7. 面白い、興味深いストーリーテリングをする
8. 話の内容、タイミング、実用性がまったくなくどうでもいいが、面白いことを言う
9. 1-8に対してWittyな受け答えをして会話を続かせ、面白くする

が全部バランスよくできる人のことであると思う。このリストと比べると、自身の雑談のスキルがどのぐらいのところにあるかが大まかに見えてくるはずである。もちろん雑談のスタイルには個人差があるが、自分の知り合いの話のうまいやつはみなこれらを状況に応じて使い分けている。

この9つがバランスよく自然にできるようになると、例えば外人と一対一で何時間車で旅行をしても苦労無く会話が続く。仮に自分が会話が途切れるのであれば、英語がネイティブの相手もおそらくしゃべることが無くなっている。逆に雑談の得意でない外人と旅行をすると、常に自分が話をしていないと会話が持たず、相手の話術が少し物足りなく感じ、海外の社交の場で日本人が外人にどう映っているかが分かる(苦笑)。はたまた成田とロサンゼルス間の10時間、隣に座った見ず知らずの外人としゃべり通すこともやりたければできる(これらの例は実際自分がどうして外人はあんなに会話が続くんだろうとずっと思っていた例)。

もっと日常的な範囲では、ランチやパーティーで会話に困ることは間違いなく無くなる。要は英語における雑談が本当に楽しめるようになり、苦痛でなくなる。これは我々海外で生活をするひとにとってはすごく大事だと思う。

英語でのカジュアルトーク上達法Part.2の内容と重なるが、通常英語圏に来たばかりの日本人は、

1. 相手に質問をする
2. 相手の質問に答える

で雑談をしのぎ、少し慣れてくると

3. 何か天気など周りの様子を話す
4. 趣味、仕事、恋愛などのトピックのあるまじめな話をする

が足される。英語の雑談上達を心がけているひとは

5. 相手の話に対して、聞き上手な受け答えをする
6. 相手をいじる(これは性格にも寄り切りだが、話の面白い人は多くがこういう会話をする)

あたりができていて、

7. 面白い、興味深いストーリーテリングをする

はあまり見かけず、

8. 話の内容、タイミング、実用性がまったくなくどうでもいいが、面白いことを言う
9. 1-8に対してWittyな受け答えをして会話を続かせ、面白くする

をスムーズに雑談でやっているひとはほとんどいないといった感じだろうか。

そして、このアンダーラインを引いた(5)(6)(7)(8)(9)が、英語の雑談において一番重要な5つであるのだが、通常日本人が文化的に苦手で、意識しないと何年経っても覚えられない部分である。

また、(1)(2)(3)(4)はカルチャー英語は、通常の生活からは学べない?で書いた「コミュニケーション英語」ができれば行えるのに対し、(5)(6)(7)(8)(9)がまさに「カルチャー英語」に当てはまる。

なので(1)(2)(3)は言語が話せれば通常は行うのは難しくない。仕事の話や会話の相手のバックグラウンド、などなんでも興味のあることを相手に聞けばよく、聞かれたら答えれば良い。(1)(2)(3)がまだ難しい人は、国際環境で生活(基礎編)カルチャー英語は、通常の生活からは学べない?英語でのカジュアルトーク(雑談)上達方法 Part.1などをお勧めする。(4)も話す内容がある生活さえしていれば雑談のノウハウとしては難しくない。

(5)は英会話における聞き上手Part.1を参照、(7)は英会話におけるストーリーテリングの重要性を、(6)(8)はいずれ書くとして、最近特に思うことは、(9)がいかに大事であるかである。上のリストからも分かるように、(9)は(1)〜(8)全部に適用され、雑談の要素の全ての部分が向上する。

2014年1月15日水曜日

日本と欧米における発言のタイミング、形式の違い

「国際環境での会議はどんな感じか 〜状況説明」に戻る
「国際環境の会議でなぜ発言できないか 〜現状分析」に戻る
「熱の入った外国の会議で発言していくには 〜前編」に戻る
熱の入った外国の会議で発言していくには 〜後編」に戻る


会議、交渉、会食/バーでの雑談、学校での授業、プレゼン後の質疑応答、舞台挨拶でのインタビューアーの質問など、複数の人が一つの題材をディスカッションする場合、もしくは数人で一つの質問に答える場合、当然しゃべるタイミングというのが出てくる。

もちろん司会の人が質問を当てる人を指定する場合や、挙手をしないといけないルールのミーティングや授業なら別だが、特に欧米ではしゃべる順番を得るのは自分の責任という方が多い。

詳しくは国際環境での会議のテクニックの方で書いているが、こと日本人は欧米文化においてこのしゃべるタイミングを得るのが苦手である。これは単純に文化的な違いが理由であると思うのだが、欧米で自己主張の強い外国人と仕事、生活をしていくにはこのタイミングに慣れる必要がある。

そして、このタイミングを把握、習得していないと

-会議で発言ができない
-交渉で立場が弱くなる
-友達との雑談に参加で来ない
-学校の授業で発言ができない
-プレゼン後の質疑応答で発言の出番がない
-舞台挨拶で発言ができない

といったことを経験する。おそらく日本育ちの人であればほとんどの人が海外で経験していることであると思う。かく言う自分も10年以上苦労したことである。

我々日本人がこのタイミングをつかめない理由、そしてその向上方法などは国際環境での会議のテクニックを参照してほしいのだが、この苦い経験をイメージするのが意外と難しい。

そこでこの違いを分かりやすく示している例を見つけた。これらを比べることで、欧米と日本における発言のタイミングの違いを具体的にイメージでき、習得の為の手助けになると思う。

まずは欧米の例から:


11:30~、13:10~、15:50~などを見ると分かるのだが、基本的にほとんどの会話がみな前の人が話し終わる前に話し始めている。場合によっては二人が平気で同時に違うことを話していたり、話している人がちょっとでも間を空けると他の人が話し始める。誰かが名指しで質問されていても他の人が話す。

会話が途切れないどころか、色々な発言が重なり合っていて、それでもなぜか会話が進んでいるし、みな言いたいことを伝えられている。ここが実は大事で、この中にもルールがあり、そのルールの中で自分の意見をみなちゃんと発言しているのである。

これが欧米における雑談やヒートアップしたミーティングのイメージで、話のうまい人、自己主張の強い人の集る会議や雑談は多くの場合がこのペースで進む。このなかに日本人が放り込まれると一切発言できないという状況は想像できると思う。

さらにもっと極端な例は:

http://www.youtube.com/watch?v=wuDaI2aYP0U (特に1:00〜あたり)

お互いが似たような役、立場で、共に発言したがるとこんな感じになる。相手が話していようとおかまい無しで話し始める。これはどちらかというと極端な例ではあるが、こんな感じの会話や会議は現実でもよくあるし、特にバーなどでの雑談はほぼこのペースで進む。

もちろん全ての会議やインタビューがこのように進む訳ではなく、例えば司会者が流れをコントロールしていたり、経験豊富な俳優と新人、監督と俳優といった力関係がある場合など、もしくはそれほど自己主張の強くない人が集った場合などはもう少しお互いの発言を意識した流れもあるが、上の様な例は生活していてかなり多く出くわす。

それでは日本の場合はどうであろうか。Youtubeで「舞台挨拶」と調べるとこんな感じである:


いろいろな例があるが、基本的には他の人が話しているときはマイクを下げている。回答者を指定していない場合も、人が話しているときは終わるまで聞くという暗黙のルールが成立している。発言が重なる場合もあるが、そのときは相手の発言を尊重しながら話している。

さらにフリートークでもこんな感じで、誰かが話している間に反応はしても、人の話を無視して自分の話をはじめることはほとんどない。

もちろんアメリカのQ&Aと日本の舞台挨拶では少々設定が違うし、欧米でももっと和んだQ&Aもあるし、日本ももっとフリーな感じなトークもある。ただやはり基本的に発言者を尊重する、周りの人に気を配る、和を保つという日本の文化に対し、自分が発言してなんぼという欧米文化との違いはある。

一つ言えることは、欧米で仕事、生活しているとHunger Gamesの例のような発言形式の場には間違いなく出くわす。そしてその場合選択肢としては、こういう場に参加しないか、自分は発言をしないか、こういう場合にも対応できるようになるかである。

そして仕事の上ではミーティングなど避けられない場合もあり、会議においては仮にこういう自己主張の強い人の集った場でもきちんと会議に貢献しなくてはならない。また、海外で生活していて雑談にもっとスムーズに参加できたらと思ったことがある人はいるはずである。

もちろん欧米人になる、欧米かぶれになるのがいいのではなく、日本の文化で育った人は、こういう場で苦労するということを意識しておいた方がよい。そしてそういう場で発言を求められる人や、英語における雑談がうまくなりたい人はやはりそれを習得する必要があるだろう。

最後に、タイミングをつかんだとしてもこのブログで書いているArticulationアドリブに長けていないと、上の例からも分かるようにここの文化では周りのひとは平気で自分の発言をねじ込んでくる。

また、自分の経験上、会話に割り込んでくる場合は、その人は悪意を持っている訳ではなく、さらには意図的にすらやっていない。単純に雑談やヒートアップしたディスカッションの場では、自分の主張をもたもたしているとみな無意識的に自分の話を始めるのがここの文化である。なのでこの発言のタイミングを覚えるのと同時に、説得力のあるArticulatedな話術を身につけるのも大事である。