2009年1月15日木曜日

"Hi〜" vs. "Hi"(「〜さんこんにちは」と「こんにちは」の違い)

ある自分の知人を"Mike"(マイク)とする。彼は自分の
大親友ではなく、他人でもない。お互いにいつか自己紹介
したことがある、名前を知り合う程度の知人であるとする。

そして、彼とどこかですれ違い、軽い挨拶をする場合、
(一瞬すれ違うだけである。立ち止まって話すのでも、
立ち止まっている相手に会話をする為に歩み寄るのでも
ない場合。)

A.) "Hi!" (こんにちは!)
B.) "Hi Mike!" (こんにちはマイク!)

どちらをしているだろうか? 想像するに、
かなりの割合で(A)の方が多いのではないだろうか?

自分もずいぶんと長い間(A)をやってきた。(B)を
親友以外にまでできるようになったのはここ数年である。

この小さな違いに「大きな」違いがあるのに気づいた
のは、ある日友人と雑談をしていたときの、こんな会話
からであった。

友人: 「おい亮、会社の「A」ってやつ知ってるか?」
自分: 「いいや、知らないけどどうしたの?」
友人: 「いや、大した事じゃないんだけど、あいつ
     自分とあまり面識ないんだけど、すれ違うたびに
     俺の名前をちゃんと言って挨拶するんだよね。」
自分: 「へ〜」

言われてみると単純な事だが、たしかに"Hi"と"Hi〜"とでは
相手の名前が入っている分だけパーソナル(個人的、親密)な
感じがする。そして、それを言われた方は、些細な差ではあるが、
その分だけちょっと良い気がする。誰でも自分のことを少しでも
意識してくれていると感じる事は悪い気はしないのであろう。

そのとき思ったのである。自分は自分の名前を付けて"Hi"と呼ばれ
るのが普通だが、よく考えたら逆に自分は相手の名前を"Hi"のあとに
つけていないじゃないかと。意識してみるとすぐ分かるが、外国人は
比較的相手の名前までつけてちゃんと挨拶をする。

これは我々のカルチャーでは、ちょっとした軽い挨拶に、相手の名前を
入れるという習慣があまりないからであると想像される。

それゆえ、自然と"Hi"という表現に落ち着き、自分が名前を言われ
ている事を意識せず、そして結果その差にも気づかないのである。

そこでまた自分でやってみた。すると、面白いもので、一言相手の
名前を付け加えるだけにも関わらず、慣れていないため初めは
違和感があるのである。

慣れてしまえば名前を付けた挨拶は意識さえもしない普通の事
となるが、上の自分の友人との会話の例からも分かる様に、
相手の受ける印象は結構違うのである。

つまり、"Hi"の方が、"Hi〜"より他人向けで、"Hi〜"はより友人
向けの表現なのである。そして、自分の仲の良い友達などには、
"Hi"のみではちょっと距離感があり、やはり、友人は、友人
向けの表現で挨拶をした方が良いと思う。

そして、自分の友人が表現した様に、そこまで親しくない人まで
その表現ができるようになると、より「社交性」がある、「大人
である」といった印象になる。

自分の親友とすれ違った時、"Hi"のみで挨拶している場合は、
ちょっと考えてみると面白い。