2010年4月5日月曜日

この状況下においてもできる奴はいる

こんな状況を想像してみてほしい。

自分の仕事環境で、自分、もしくは自分の管理するチームに与え
られたタスクがあるとする。作らなくてはならない絵のタスク
でもよいし、何かプレゼンテーションの準備でも良いし、
何かの予算の算出でも良いし、何でも良い。

そして、そのタスクには期日がある。たとえば一週間(5日間)
後が締め切りである。このタスクは、クライアントに見せなくては
ならないといった緊急のものではないとする。

そして、自分、もしくは自分のチームはそのタスクが得意で、今ま
で何度もそのタスクをこなしてきているとする。そして、それゆえ
タスクにかかる時間も大体想像でき、今回の一週間という期日は十分
な期日で、それまでに上げるのはまったく問題ないような期日である
とする。また、いままでそのタスクを期日内に上げられなかったこと
はないとする。

作業の3日目に、そのタスクの大まかな方向性が上司により
大幅変更されるとする。その結果、2日間の作業は無駄になり、
3日目にやり直しをすることとなる。この時点でまだ期日には
ぎりぎり間に合うとする。

そして、4日目には作業をするのに必要な何かツールやシステムが
壊れ、それを別の部署の誰かが修復するのに1日かかるとする。
そして、仕事に再度とりかかったのは最終日の5日目、そして夜遅
くまで残業をして取りかかったが(残業手当のある正式な残業)、
結局終わらず、期日が来る。

こういった自分達の制御外の方向性の変更や、仕事をする為に必要
な設備の問題が原因で作業が遅れる場合は、通常のタスクであれば
期日を延ばす事になる。

唯一の例外は、それがクライアントの絡んだタスクである場合で
ある。この場合は、言い訳なしでそれを上げる必要があり、無理な
場合は早めに上司に言い、もっと人員を投入する、もしくはクライ
アントミーティングを延期するなどといった応急処置をするのが
通常である。

そして、期日が来てからある情報が知らされる。

実は、その締め切りの日に、大事なクライアントミーティングが
あり、その際に自分の上司がそれをクライアントに見せる
約束をしていたことを聞くとする。

結局その日のクライアントミーティングにそのタスクは間に
合わず、上司はクライアントに謝らなくてはならず、その後
自分は上司に激怒される。

と、こんな話はよくある事で、どんな職種、職場でも同じ
ような経験をしたことがある人はいるであろう。

あるときこのような経験を自分もしたのだが、そのときの自分と
上司との会話はこんな感じであった。

上司: なんで期日に間に合わなかったんだ!

自分: かくかくしかじかが起こって

上司: であれば間に合わない可能性を俺になぜ早い段階で言わない!
お前がなにも言わないから信じていたのに。俺はクライアントに対して
約束をしていたのに!

自分: クライアントに見せる必要のあるタスクと知ってればそういう
行動をとる必要があることぐらいもちろん知っているが。。。

上司: とにかく今回のような事はこれ以降絶対に無い様に!
大事なクライアントミーティングに必要なタスクが上がらない可能性
があるときは早めに言うように。

自分: Ok(心のなかで、いや〜なにか腑に落ちない。。。)

さて、この対応は正しかったのだろうか?実は、このような言い訳を
上司にしたのはその時が初めてであった。

そのあと考えたら、やはり自分が悪い。
こういった状況で、いつも自分に言い聞かせているセリフがある。

「この状況下においてもできる奴はいる」

である。

しかしその時に限っては、いままで何度もこなしてきたタスク
であった為かわからないが、上司に責められたときに反論して
しまった。

なにかいつも自分ができている事ができない時には、自分なりに
理由があると思う。そして、その理由のせいにしたいのは人間の
心理であると思う。

しかし、思うのが、どんなに劣悪な条件によって自分がうまく
できなかったとしても、かならず

「この状況下においてもできる奴はいる」

のである。今回の件に当てはめると、たとえば:

* 大幅な変更があっても、それまでの2日間を無駄にせず、
それにきちんとすぐに対応できる仕事の仕方ができる人もいる。
実際に、自分の知り合いの中に、クライアントや上司による大幅
変更を数多く経験し、「この仕事ではクライアントの変更としては、
こういうものや、ああいうものがあり得るだろう。だからこのように
この仕事は設計し、そうすれば仮にその変更をクライアントがして
きても、すぐに対応できる」といったことができる人がいる。

* クライアントが絡んでいないか、上司に言われていなくても
自分から確認し、その情報を見つけ出し、上司の変更があった時点
で、期日に間に合わない可能性を提示し、上司にクライアントの
ミーティングを延期してもらうか、人員をもっと投入してもらうか
を要求する。

* 仕事に必要な通常の設備が故障している状況でも、それを
自分で回避してその一日を無駄にせず作業を続けられる人もいる。

結局、この状況下においても、きちんと仕事を上げられる人は
絶対にいると思う。もしくは、この状況下において、自分で
きちんと質問をし、クライアントが絡んでいることを見つけ出し、
それに対するきちんとした対応を導きだせる人も必ずいるのである。

この件は、自分に再度言い聞かせるよい機会になった。

「この状況下においてもできる奴はいる」