2009年1月30日金曜日

なぜ日本人は外国がニガテか? 〜問題提起

まず始めに、日本人は世界的に能力が高いと思う。
自分の分野でもそうである。日本のスタジオで実力のあった
アーティストの方々は、アメリカやヨーロッパのスタジオに
所属しても、やはり一流の実力がある。

当然文化の違いなどの難しさはこのブログにも書いている
ように沢山ある。また、文化の違いにより、実力が国際環境
では100%発揮されない場合も有る。このブログに書いてある
ように、それは文化の違う環境で働いている以上はそれを
無視するわけにはいかない。

しかし、こういった文化の違いとは別に、過去に自分にはどこ
か漠然とした「外国はレベルが高い」といったイメージがあった
事を告白しなくてはならない。渡米したころの自分は、外国に
対する未知なる偉大さの様なイメージを思い描いていた。

自分の場合、いろいろな経験を国際環境で積み、そのなかで
ようやく、日本も外国も能力には国境が無いということに気づいた。

さらには、海外で生活していると、日本という国、文化、そして
能力が、世界的にかなり高く評価されていることを身に感じる。
これはおそらく、我々日本人が思っている以上に、日本の評価は
外国で高い。

つい最近アメリカ人の夫婦と話をしたときに、日本の話に
なった時に、日本人に対するアメリカ人の一般的な見方は、
「能力に秀でた、一目おく人たち」であると言っていた。
こういった具体的な表現を聞いたのは初めてだったので、
「ほー」と思った。自分の現在の見方が第三者の意見により
確認された感じがした。

しかしそんな中、こんな光景を目にした事があるのは自分
だけではないはずである。

例えばどんな分野でもよい。その分野で日本で実力があり、国を
代表する人がいるとする。そしてそのひとが、同分野の外国の
代表者と接する機会があるとする。

現在の自分としての理想は、お互い、自国の一流同士として、
自分、および自国に自信を持ち、また、相手も他国の代表と
して、お互いを尊重した態度、コミュニケーションをとること
が理想であると思う。

しかし、このような光景を目にする事がたまにある。それは
つまり、

「おっと、外国の代表者だ、恐れ多くも大きい事は言えないよ。」

もちろん、外国に対して臆さないひとは沢山いる。自国の
プライドを持ち、外国がどうした?という日本人も自分の周り
にも沢山いる。

また、日本の美徳である、他人を敬う、謙遜の心、といった
ことをさしているのではない。これらは外国の人も学ぶべきで、
これは我々が誇るべくカルチャーであると思う。そうではなく、
ここで自分が感じるのは、どこか、外国人は自分よりレベルが
高いといったイメージの事である。

実際に実力、能力があり、外国の人もそう一目置いている。
当然、日本で実力の有る人は、世界的に実力がある。そういう
意識があれば、外国の代表者に引け目を感じる理由はどこにも
無いはずである。

もっと言うと、仮に、百歩譲って、ある分野においては日本
よりもある国の方が実力の平均値が高かったとしよう。
それでも、外国の情勢など関係なく、自国の環境に自信を
もって外国に対して堂々としている文化もある。

それではなぜ、自分も含め、こういった外国人の評価を勝手に
大きくする傾向があったのであろうか?

次は自分なりにその理由を考えてみたい。