2008年1月23日水曜日

移民局からの電話

これはもうずいぶん昔の、インターンで働いていた頃の
話である。

ある日の朝、会社に着くとデスクの電話の留守電ランプが
ついている。

留守電を聞くと移民局からであった。年配の方で「あなたの
書類に関して確認事項があるので移民局に連絡してくれ」と
いった趣旨のメッセージであった。

我々外国人労働者にとって、移民局、ビザに関することは
何であれ真剣に対応しなくてはならないため、即座に会社の
人事に連絡し、移民局の連絡先を聞く。

移民局に電話し、留守電の趣旨を伝え、自分の名前、
パスポート番号を教える。担当者は調べるからちょっと
待ってくれと言う。5分ほど待つと、その担当者は
「申し訳ないがそのような確認事項は記録には無い」と言う。

ビザに関することは何であれ軽くはとれないので、今朝連絡が
あったばかりで、念のため再確認してくれと頼む。さらに5分
ほど担当者が調べてくれたのだが、やはり手違いであると
言われる。礼をいい自分は電話を切った。

困惑するなか隣の部屋に行き、同僚に朝の出来事を伝える。
ビザに関する事であるので心配であると。

すると同僚の一人がちょっとその留守電を聞かせろと言う
ので、同僚を電話まで連れて行き、保存されたメッセージを
聞かせると一言、「これジョンじゃん、声聞けば分かるだろ...」
と笑われる。ジョンは20代のアメリカ人で、メッセージは
彼が年配のふりをして声を変えて残していたのである。

自分は唖然とした。何に対してかと言うと、このジョンという
同僚の悪質なジョークもそうだが、むしろそれを一言で大した
ことではないように笑ってかたずける、留守電を聞いてくれた
友達の反応にである。

それでもそのジョークの深刻さ(というより深刻で無さ)
が腑に落ちなかったので、友達数人にどう思うか聞いてみた。
すると、「引っかかる方が悪い、そんな事普通信じない
だろう」が主流だった。でもさすがに外国人に対して移民局は
度が過ぎるだろと聞き返すと、「まーそうだけど、ジョンだろ、
しかも声聞けば年配のふりしてるのバレバレじゃん」と、
やはり悪いのは自分のようだ。。。

ここまでひどいジョークはそうはないが、(という
より、再度考えると、今まで10年ほど外国人と過ご
して来て、これほどのものはそれ一回きりである。)
軽い害の無いものであればジョークは日常茶飯事である。

ちなみに、基本はジョークをふっかけてくるのは相手が
自分に愛着を持っているからである。ここは理解しておいた
方が良い。(ただし、ジョンのケースも本人はそう言って
いるが、そこは自分はずっとジョークとして許さないつもり
である(恨笑))。

通常は悪意はもちろんなく、自分を見下しているわけで
もない。たまに日本人に、「外人のジョークはおれを
なめているのか?」と聞かれる事がある。これは間違いなく
言えるがそうではない。そういう場合は「いや、逆で、それは
自分を気に入ってくれている証拠だよ」と答える。
むしろ、自分の周りが自分に対してあまりジョークを
言ってくれない状況があるとすると、そっちの方を気に
した方がよいかもしれない(笑)。

さて、自分がアメリカンジョークを理解する必要があると
思う理由は3つほど有る。

1. 自分の身を守る為、混乱しないため、コミュニケーションを
  スムーズに行なう為。

2. より生活をエンジョイするため

3. より良いリーダーになるため

(1)、(2)、(3)、全て誰でも考慮した方が良いとは
思わないが、やはり海外で生活する為には(1)は必要だろう。

その為には、アメリカンジョークにに対応するため、
基本的な知識と、対処方法、基本姿勢を学んだ方が
良いと思う。

この読み物では、上の(1)、(2)、(3)を掘り下げて説明する。

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